記憶術が広まった背景

記憶術が広まった背景

紀元前に記憶術がギリシャの詩人によって開発されて以来、歴史をまたにかけて浸透していった理由として記憶力を向上させる事だけが目的ではなく、他にも理由が存在するようです。古代ギリシャにおいて記憶術は修辞学の一つとして認定されていました。弁論術とも言われている修辞学とは、いかにして聴衆を納得させる事の出来る演説を行う事が出来るか、言論技術を向上させる為にはどの様にすれば効果的なのかを学ぶ学問で、記憶術が生み出された古代ギリシャでは演説を行うプロとして雄弁家なる物もいました。そこで凄いのが、メモを使っての弁論はご法度になっており、記憶力だけが頼りになっていた事からも、記憶術はなくてはならない必須の技術だったと言えます。

 

記憶を行う為の技術がヨーロッパに広まっていくと、効果的に大量の書物を暗記する際に有効な手段として活用されました。まず第一に当時はまだ紙自体がありませんでした。紙の代わりとして非常に高価な羊皮紙を使用し、書物ももちろん手書きで行っていました。聖書などを記憶しなくてはならない修道士や神学者は、聖書を忘れないように記憶術を活用して日々努力していたそうです。加えて、記憶力の高さは知力のバロメーターともとれたので、古代ギリシャでは教養のある人は必ず身につけるべきテクニックとも言えて、常時鍛えていかなくてはならない技術であった事も深く関係していると言えるでしょう。

 

古代ギリシャではなくて近代の日本の場合は、記憶術自体は明治時代に組み込まれて、福沢諭吉の『学問のすすめ』の影響もあってか、学問で生計を立てようと一念発起した方が増えた事により、記憶術が所謂ブームになり普及しました。現代においては、主に受験対策に効果を発揮するとされ、記憶術に関する書籍などは人気を集め沢山あります。今では決して教養人に必須なテクニックとはいえなくなりましたが、暗記物が大変多い分野の勉強では知っていると知らないでは雲泥の差が出る事から、受験成功の秘密兵器として浸透してると言えるでしょう。


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記憶術

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